タワー、日本語で言うところの管制塔のない小さい空港です。 空港に入っていくと、シルバーグレーの機体がピカピカ光っているジャイロのお隣でスコットさんらしき男性を発見。
40代かな? 日焼けして、がたいの良い、大きな男性でした。
スコットさん、どうやらトレーラーでこのジャイロを牽引してきたようです。 ジャイロはトレーラーから出てきたばかりで、まだてっぺんのブレード(タケコプターの羽)は取り付けられていませんでした。 何やら整備? 点検をしているようです。
ブレードなしの状態でエンジンをかけました。 すると、物凄いけたたましい音と同時に機体が震え出しました。 その振動ったらもの凄くて、私、これでやられちゃいました。
『無理だ私には・・・・・。』
運転席には誰も座っていない状態で、後部座席の後ろに着いているプロペラ、これ垂直についているのだけどね、エンジンをオンにするとこのプロペラが回り出すのです。 出力をあげると高速回転するようです。
すると機体自体が物凄く振動で震え出したのです。 もしも私が運転席に座っていたとしたら、舌を噛み切るか、ポーセリンのクラウンが壊れるか、首の筋を痛めるか? それともこれら、全部か? というくらいの機体の大きな揺れだったのです。
こんな揺れに耐えながら運転するなんて、無理、無理、無理。
これが第一印象でした。
何しろ私、ジャイロを見た事はありましたが、実際に飛んでいるところや、エンジンをスタートさせたところを見たことなかったのです。
この揺れって、普通なの? 聞いてみました。
すると、これは異常事態で、その原因を今究明してるんだよ、スコットさん、と。
なるほどね。 これが普通の状態ではないことが分かり一安心。 でも、そういう問題ありのジャイロ、お買い得だからって購入して大丈夫?
次にメカニックのクリスさんと言う男性が登場。 この男性がスコットさんのジャイロの問題を追求し、直してくれるらしいのです・・・・。 クリスさん、色々なテストをしながら1つ1つ考えられる揺れの原因を探っていきました。
3時間経過・・・・・。
とうとう分かりました、揺れの原因が。
そもそもスコットさん(ジャイロの所有者)ジャイロを自分でペイントしたのです。 元々の色はなんだったか知りませんが、綺麗にグレーとブルーのツートンカラーに塗られて、とても良い感じなのですが、スコットさん、機体だけではなくてプロペラ自体もペイントしたのです。 で、そのプロペラに塗ったペンキのお陰で、プロペラのバランスが狂ってしまったらしいのです。 つまり1枚1枚の羽に塗られたペンキの重さで羽のバランスが微妙に狂ってしまい、高速で回転した時に大きな揺れを生み出していたと!
他のジャイロから取り外したプロペラを装着してエンジンを始動してみたところ、機体は全く揺れませんでした。
問題は解決です。 プロペラを取り替えたので、その後ちゃんと装着できているか幾つかのテストをしました。
そしていよいよブレードの取り付け。 このブレードっていうやつ、半径だけでも2メートルはあるかな? 直径だと4メートル?
2人がかりで取り付けて、いよいよ試乗。
スコットさん、ヘルメットと無線を装着して空港のタクシーウェイをたた〜〜〜っと走って滑走路へ。
私はビデオを撮っていたのですが、あっ! と言うまに宙に舞い上がってしまいました。滑走路を走る距離は本当に少しだけ。 あっと言うまに空中を舞っていました。
その後はクルクルと小回りしながら空港の上空を飛んで、そしてまた滑走路に降りてきました。
ジャイロコプターは物凄く小回りがきくのだそうです。 ヘルコプターの様に空中でホバリングはできません、が小回りが得意。
無事に飛行できる事が証明されました。 スコットさんも来週行われるフロリダのイベントにこのジャイロを出展するとの事。
See you there! です。
帰り道、ジムの感想を聞くと、想像以上にセットアップが大変そうだったね。。。。と言っていました。 そうです、てっぺんのブレードを取り付けるのも、つけたり外したり、1人で直ぐにできるものではなくて、まずはブレードをガレージの天井から吊るして、その下に機体を移動して、ブレードを降ろしながら取り付ける・・・・・・。
牽引する為のトレーラーだって、中に機体を固定できる様にセットアップが必要だし・・・・・。
明日は又、ジョージア州でジャイロのキット(組み立て前のもの)を売っている男性に会いに行く予定です。 私がブーツを買う時にあれにしようか、これにしようか、ドキドキしながら迷うのとはちょっとスケールが違います。
全くもって『男の子の大きなおもちゃ。』 これが私の印象でした。
運転席はこんな感じ。
後部座席からも運転が可能なのだそうです。これ、知らなかった。
ヤマハのエンジンを搭載しているそうです。
左上に見えてるプロペラ、これが揺れの原因でした。
ブレードを装着したところ。
こんなに大きなトレーラーに入れて運びます。 トラックで牽引。
これは後部座席。 スティックが操縦桿です。
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