この日、私はディナーの前にジョギングに行く事にしました。 ジムを誘いましたが、僕は今日は走らないよ、だけどディナーを作るからって。
ではお願いしますね、私、ひとっ走り行ってきます。
日本人の夕飯のメニューとしてはちょっと考え難いかもしれないけど、我が家では年に数回、ディナーにホットドックが登場します。
アメリカ人のソウルフードなのかな? 突然無償に食べたくなるようです。 で、ホットドック用のソーセージとパンを買い込んでありました。 ジムはそれに一手間かけてチリドックにしようと思ったようです。 チリは玉ねぎやひき肉、それに豆を煮込んだ物にチーズが入っているコッテリした煮込み。 これがたっぷりかかってるのがチリドックです。
で、ジムは私が豆が嫌いなのを良く知っているので、豆抜きの特性チリを私のために用意してくれたようなのです。
これ、後になってから気づいたのですがね・・・・。
ジョギングから戻ってきた私を待っていたのが、このチリドック。
で、一本目、完食。
小さいドックなので1人2つずつ用意されてて・・・さ〜おかわりの2本目って言う時です。
私がジムに、「あ、2本目はそのチリソース抜きでお願いしま〜〜す!」 と無邪気に言ってしまったのです。
その瞬間、ジムの顔が凍りつきました。
「君の為に豆抜きの特性チリソースを作ったのに、君は僕のチリソースが嫌いなんだ。」
やっちまったぜ・・・・・。 後悔の瞬間でしたが、時既に遅し。
「I am insulted.」 侮辱された・・・・。
そこまで言うか?・・・・。私もびっくり。 そこまでショックを受けるとはね・・・・。
言ってしまった言葉はもう元に戻らないので、私もあまり弁解するのをやめました。
口に含んだ瞬間、何かとても嫌いな味が口の中に広がったのです。 多分あの味はお肉かな? ジムは特性チリって呼んでいましたが、絶対にこれは元から作ったものではなく、何か缶詰か冷凍食品を元に手を加えたものだろう、って思いました。
ゴミ箱をチェックしましたが、缶詰は見当たらない。
ですが、冷蔵庫に半分使った豆抜きのチリっていう缶詰を発見。
この中に私の受け付けない何か、多分お肉があったのだと確信しました。これだ、これだ、犯人は。
ジムは自分が食べたいチリを私に食べさせる為に、豆抜きのチリの缶詰を使い、色々スパイス等を追加して美味しく仕上げたのだと思います。
それをいきなり、チリソースなしでお願い! って言ってしまった私。
10年前だったらこれで1週間は話をしてもらえなかったと思います。
何かと〜〜っても嫌いな味が入ってた、って正直に話したので、ジムも侮辱された、とまで言いましたが、不機嫌を長引かせる事はありませんでした。缶詰を土台にしたのを自分でもわかっていたからでしょうね。
だって、本当に嫌いな味だったんだもん!
でも、作ってもらった食事を安易に拒否した私の軽率な行動はダメだったね・・・・・。 反省です。 御免なさい。
しかし、ジムの私への思い入れがこれ程強いのかって言うのも感じました。
美味しい〜〜〜って言ってもらいたい。 美味しいって食べて貰えるように物凄く一生懸命なんだわね。
ま、私もそうだけどね。
一生懸命作ったものを、それ抜きでお願いって言われたら、どういう反応するかな?
結婚数年目のジムの誕生日にとっておきのケーキレシピで作った、バナナチョコレートパイ、数日経っても手をつけてくれなくて、ブチギレた私がケーキを流しに叩きつけた・・・・。 そういう過去もありましたっけね・・・・。
相手の為に一生懸命すぎると、それに応えてもらえなかった時に、自分は大きなショックを受ける。 相手を責めてしまったりも。
そういう匙加減も、年と共にわかるようにならないといけないね・・・・・。
そんな過去の出来事が頭をよぎりました。
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