2024年10月29日火曜日

グランドピアノが来ました

10月24日、待望のグランドピアノが我が家にやってきました。 
KAWAIのGL30 with Aures というピアノです。 

使っていたアップライトは下取りに出しました。 ウェディングプレゼントでしたが、ウェディングプレゼントをアップグレードしたって思うようにしたので、嫁に出しました。 

GL10というベービーグランドは奥行きが153センチしかなくて、一番小さいグランドピアノです。 私が決めたのはGL30、奥行きが166センチ。 少し大きいです。 ですが、普通のサイズは180センチ以上ですから、やはり小型と言えると思います。

180センチのグランドの方が共鳴部分が大きいので音が良いはずです。 ですが、私は迷わず小さいサイズに決めました。 なんでかな?
自分でもよくわからないのですが、ちょっと遠慮があったのかな? 音楽に興味のない家族の為に大きなピアノをリビングに入れるのにちょっと抵抗があったんだと思います。 音だって半端なく大きくなるし・・・・・。

まず、10年以内ならアップグレードできるわけだし、最初は小さい方を選んだわけです。

さて、先週の木曜日、予定通りピアノを乗せたトラックが敷地内に入ってきました。 運搬をしてくれたのは男性2人。 ピアノの足の部分が外されて、胴体は縦にトラックの壁に括り付けられてやってきました。 


右側に見える黒いのが私のピアノの本体です、 縦になってる。
左の箱は翌日配送する予定のピアノだそうです。

あらかじめ、ここら辺に置いてねっていうマークを床につけておきました。






新品が良ければ日本から輸送されてきてそのまま箱に入った状態のピアノをオーダーする事もできたのです。そちらの方が割引も多いと言われました。 
でも私が選んだのはショールームに展示されていたピアノです。 箱から取り出す新品だと、最初ピアノの音が落ち着くまで時間がかかるからです。 思っていたのと違うな〜って言うのが嫌だったので、実際に試弾したピアノを選びました。

YAMAHAのウェブにはグランドピアノをお部屋に配置した様子をシュミレーションできるサイトがあって、試してみました。 やっぱり傾けて置く方がしっくり行きました。  ジムはなんで傾けて配置するのか?って聞いてましたけどね。
理由はその方がしっくりくるからです。

実際にピアノを弾いてみた所、小さいながらやっぱりアップライトとは全然違うな〜って言うのが第一印象でした。 音の響き方が違うのです。 私が現在追求しているのは、同じ音でも高周波の音。 これがゴール。 なので、やはり電子ピアノではなくて、アコースティックピアノを選んだのは正解でした。 

それにAURES に電源を入れてスピーカーから音を出すと、色々なピアノの音を出すことができます。 夢のピアノShigeru Kawaiのコンサートグランドピアノの音も再現できるのです。 まるで上手になったかの様に・・・・・。 いい意味でも悪い意味でも良い音が出ちゃうんです。 スピーカーから電子音を出すこともできるし、ヘッドフォンで自分だけ聴くこともできます。

自分の家にグランドピアノがあるってことが今でも信じられません。 はなっから諦めていましたから、ピアノの演奏自体を。
黒木洋平先生に出会っていなかったら、こういう展開にはなっていなかったと思います。 

今は時間の許す限りピアノを弾いていたい気分です。

ですが、1つ問題が。 玄関から入ってピアノが直ぐに目に入るので、鍵盤を玄関の方に向けて配置しました。 ってことは私はピアノの楽譜を見るときに窓の方を向くことになります。 で、我が家のリビングの窓と引き戸にはカーテンやブラインドがついてないのです。
で、楽譜を見ようとすると、窓からの光で楽譜が読めないのです・・・・・・。

せめてピアノの後ろの引き戸の部分だけ、ブラインドを付けたいんだけど・・・ってジムに提案しました。 

すると、驚いたことに、冬に向かって我が家の全ての窓と引き戸に外気温から室温を守れるタイプのシェードを取り付けようって言い出しました。 以前から考えていたそうです。

この家って窓にカーテンがない!  今までそのままでした。 誰に覗かれるわけでもないので、気にしてませんでした。 
ただ、冬に室温を暖かく、夏に涼しく過ごせるように、そういうタイプのシェードって言うのがあるそうなのです。そうだよね、窓のままじゃ、冬は寒いでしょ。 今まで気にしてませんでしたが・・・・。

全部で17個必要です。 早くつけて欲しいです。

右端に見えているのが古いソファーです。 その右に暖炉があるので、冬は暖炉の前にこのソファーをおきたいのだそうです。
これがないと凄くスッキリするのですが・・・・・。 仕方ないです。 妥協します。






2024年10月19日土曜日

トントン拍子

恋愛もそうだけど、とんとん拍子に事が進む時ってのは進むんだよね。 あっというまに。


誕生日の数日前にジムがサンフランシスコに一泊で泊まりに行こう!って言ってくれました。 
とくにミュージカルやオペラ、等の鑑賞をするではなく、ただたんに一泊してくる。 
何も予定がないのなら、時間を気にせずに私の大好きなタイレストランでディナーをしたい! ってリクエストを出しました。 
このレストラン、すでに何度か行った事があるのですが、とにかく混んでて、なかなか予約が取れません。 どれを食べても物凄く美味しくて、脱帽。 文句無しのおいしさなのです。 早速予約を入れました。 平日の水曜日でも6時台は予約が取れず、少し早めのディナー。

で、他に特別なプランがないのなら、私、サンフランシスコ周辺にあるピアノの展示場に行ってみたいな! ってジムにお願いしました。
どうやって時間を潰そうかって思ってたと思うので、ジムも賛成してくれてこちらもアポを取りました。 
サンフランシスコにある Music Exchange というお店で、グランドピアノを多く展示してあるそうで・・・・。ジムは電気自動車を充電に、私はピアノの展示場へ。

で、翌日もジムには申し訳ないけど、もう1つカワイのディーラーに立ち寄りたいな〜ってお願いして、こちらも朝早くから電話してアポを取りました。



で、サンマテオにあるKAWAIの正規ディーラー。 さすがは正規ディーラー、綺麗です。 ピアノがずらっとお行儀よく並んでる。 

正規ディーラーはやはり信用できるでしょう。 だけど、その他のピアノ屋さんより値引きがあまりない・・・・。 そういう先入観が私にはありました。 

日本に帰国した時に数件のKAWAIディーラーで下見をしていた私は、これか、これ? って思っていたピアノがあったのですが、日本で買うのとアメリカで買うのとでは値段が倍になってしまうのです。 夢のピアノShigeru Kawai は本厚木の展示場で試弾しましたが、それはそれは良い響きで夢心地・・・・! それが今月から値上がりして400万円になってしまいますって日本のKAWAIサンが言ってました。
それをアメリカで買おうとすると希望小売価格が80,000ドルを超えてしまうんです。 とてもじゃないけど、手が届かない。

ピアノって上を見れば見るほど上には上があって、キリがないのです。 だからお手頃価格で、それでも自分が「あ! この音、この響き好きだわ!」 って思える物に出会えたら、それが運命の出会いなのです。

で、KAWAIのサンマテオ店ではジムは借りてきた猫みたいで仏頂ずら。 なんだかな、私のハイな気分を台無しにしてくれる・・・・。

私のお目当ては消音ピアノ。 完全に消音してヘッドフォンで電子音を聴く事ができるグランドピアノ。 消音ピアノにも2種類あってスピーカー付きとスピーカー無し。 
私が目をつけていたGL30というグランドピアノにはスピーカー付きの消音機能 Auresが付いています。 ウェブで見る限りではこのタイプのピアノにスピーカーなしの消音機能をつけたピアノもアメリカでは出回っているのを確認していましたが、こちらのKawai ディーラーでは扱っていないと。 スピーカー付きだとその分値段が高くなっちゃうんです。

ですが、ディーラーに居た担当のセールスマネージャーさん、いやいやナイスルッキングのイケメンピアニスト?
デモとしてこちらの消音ピアノのスピーカーから音を出してデジタル音をバックにそれにあわせて生演奏。 この人かなり弾ける人。
うっとりするようなデモ演奏、 これにはさすがの借りてきた猫のジムも感動していた様子。

スピーカーはいらないな〜って思っていたけど、スピーカー付きしか置いてない。
でも、このでも演奏を聴いちゃったら、欲しくなるわね。

で、肝心のお値段ですが〜。。。。恐る恐る聞いてみた。
フムフム、え〜〜〜っと。 あれ! 非正規ディーラーが提示してる格安値段より6000ドルも安いじゃないの。

ちょっとびっくりです。

で、ちょっと笑顔を押し殺してディーラーを後にしました。
ちなみに、このKAWAI GL30というグランドピアノは日本では公共施設、学校用に売られているグランドピアノで、ディーラーから個人には売ってもらえません。 詳しく調べてみたら、学校とか公共施設などで使われるように比較的安価に作ってあるらしいのです。 お手頃だって事です。 日本では試弾していませんでしたが、GL10というエントリーレベルの次のレベルはどれですか? って聞いた時にGL30ですって本厚木のディーラーが言っていました。 だけど、学校用。
それがなぜだかアメリカでは個人でも買えるらしい・・・・・。

今回、誕生日にサンフランシスコに一泊しようって言い出したのはジム。 ピアノを買いたいな〜って言うのは長年の私の夢で、何も誕生日プレゼントにグランドピアノを買って頂戴な! なんてこれっぽっちも思っていませんでしたよ。

私の退職年金を取り崩して自分で買おうかな? なんて思っていたくらいです。

ですが、お目当ての消音グランドピアノを試弾して、で最初の見積もりを出してもらって、あれ? 思ったより値引きが多い!
プラス、これは最初の見積もりなので、この週末にボスが来るので、ボスが出してくれる見積もりはもっとお安くできると思いますよって言うじゃありませんか。



で、KAWAIが提示してきたオファーには10年のギャランティーが付いてきて、それはピアノ本体。 電子機器の1つである消音機能、これに関しては5年しか保証が付いていないと言うのです。 ここ、肝心。 冷蔵庫や電子レンジと同じく、消音機能のAures は壊れるものだって言う認識が強く私にあります。 不具合もきっと凄くストレスフルな事態になるだろうし。 ピアノ自体は壊れなくても消音機能が使えなくなった時に、どうする? 5年までは無償で直してもらえるけど、5年過ぎて、これもう直せません。寿命です。 なんて事になった時に消音機能は取り外して新しい物に付け替える事はできないのだそうです。 ここが気になる。(一般的に寿命は10年〜15年って言われています。電子ピアノも一緒です。)
じゃ、壊れちゃったらどうしよう? 凄く心配。

で、KAWAIが提示してきたオファーに、10年以内にピアノ自体をアップグレードすれば、今回支払った代金の100%がクレジットとしてアップグレードするピアノの代金にあてがわれると言うのです。 つまり差額だけ払えば、消音機能もピアノも新品が手に入る。
これについてはしつこい程、何度も聞きました。 私の聞き間違え? 理解の間違え? 本当に私の理解があっているのか?
間違えはないそうです。 

私の理想とするグランドピアノはGXシリーズのピアノで、これは奥行きも180センチあります。 これはちょっと高くて手が出なかった。 私の虎の子の老後資金を切り崩して、不足分を足してこちらにしようかな? 一生使うピアノだから、後悔のないように、こっちかな?
って悩んだのですが、消音機能がだめになった際に、差額だけ支払えばアップグレードして消音機能もピアノも新品になる、っていう保証が私の背中を押しました。 今回は、小さい方の166センチ、ベービーグランドにしておいて、これに飽きたらなくなったら、万が一の場合はアップグレードすれば良い。 10年以内に。 75歳になる前に。75歳になった時にどれ程ピアノ熱が残っているか? わからないしね。

6月に子供の頃のピアノパートナー 連弾をした同級生が天国に召されました。 最後のラインで、またピアノを弾きたい。 できるかな? って言ってました。 そうです、生きているうちに、やりたい事をやらなくちゃ! そんなに悩んでいる時間はないのです。

今回、ひょんな事でKAWAIディーラーに立ち寄ったおかげで、トントン拍子に話が進み、ジムも借りてきた猫状態から、飼い猫くらいまで表情を崩してきて・・・・・。 それでも、手放しで購入に賛成している様には見えなかったんだけど・・・・・。
「値段の交渉は僕に任せて!」「交渉術についての本を最近読んだから・・・!」
これを聞いて、あ、この人、反対はしてないんだ、ただ、少しでも値段を下げたいんだわ。 ってわかったのです。

アップライトピアノをトレードインする話は、ディーラーに行った時にNOって答えていました。 だって、あのピアノはジムからのウェディングプレゼントですから。 それを下取りに出しちゃうってのは、何だか気が引ける。
その話をジムにしたところ、「僕は全然気にしないけど、家の中、ピアノだらけになっちゃうから、下取りに出したら?」 そう言ってきました。 そうだ、「ウェディングプレゼントのピアノをアップグレードした!」 そう考えたら良い。 と私も自分を納得させました。

と、言うわけで、YAMAHA U3という多分60年を過ぎた古いアップライトピアノを下取りに出すことにしました。
交渉材料として、幾らくらいだと思う? ってジムに聞かれた際に、「いかにせん、古いからね、1000ドルだったら御の字かな?」そう話していました。 
案の定、下取り価格は1300ドル。 ありがたや〜。

消音機能つきのベービーグランドが来週の木曜日に到着予定です。

さ、古いソファーを処分しないと!



ジャイロのその後(その4)

2024年1月、ジャイロにも車の車検のような定期点検があります。 1年に一度点検をして、それに合格しないと続けて飛ぶことができないのです。

4人目のインストラクターはペタルーマ市民空港にあるフライトスクールの先生にお願いしたのですが、そこではメカニックさんも常駐しているので、そこに一年点検をお願いしました。 

一年点検をお願いしていたところ、問題が発覚。 エンジンに異常がある可能性あり・・・・・。

これは一大事です。 インストラクター達と相談した結果、エンジンだけを取り外してネバダ州にいるエンジン専門のメカニックに見てもらう事になったのです。

ネバダ州って???? 10時間以上運転???? まずは空港まで行き、一泊し翌日エンジンをジャイロから取り外してその後一気にネバダまでドライブ。

ドライバーとして私も一緒に行くよ、って提案しましたが、私が行くとなるとロキちゃんも一緒に連れて行くことになるし、2人が一緒だとトイレ休憩とかが増えて時間がかかるから、1人で行くって・・・・・。 そうですか。

エンジンのスペシャリストに見てもらった結果は、とくに異常は見つからず。 だったそうです。

問題なし、と言われたエンジンをまたジャイロに取り付け、いざ、トレーニング再開。


大きなメンテナンスや故障の後はかならず、経験を積んだインストラクターが最初にテスト飛行をする事になっています。
そりゃそうだよね。 

で、インストラクターさん、飛んでくれました。 だいじょうぶ! 問題なし!

さ〜、いよいよジムのトレーニングが再スタート。

この時すでに8月の末でした。 1月の定期点検からすでに半年以上が過ぎていました。 ジムだって気持ち的にもう、やる気が失せていたのでは? と想像できます。 8月 30日、私が日本に向けてサンフランシスコ空港から出発したので、私を見送った後、ジムとロキちゃんはペタルーマ空港へ向かいトレーニングを再開したそうです。

でジムが空中数百メートルまで上がった時です。 何か変な音がしたそうで・・・・・。 
無線で、「今の音はなんだろう?」 とジムが後ろに乗っているインストラクターに聞いたそうですが、とにかく何だかはわからないが状況は最悪だって。

そうです、エンジンがストップしちゃった音だったのです。 
すぐにジムの操縦からインストラクターの操縦に切り替えを。 その後はインストラクターが着陸できそうな場所を選んで、着陸。
幸い、住宅地ではなかったのが良かった。 馬用の牧草地に無事に着陸。 

ジャイロはエンジンがストップしても上で回っている大きなプロペラは回り続けるのです。 だから一気にストンとは落ちない。

ただ、エンジンが動いていないのですから、コントロールは100%できないので、直ちに安全な場所に移動して着陸しなくてはなりません。 お勉強でもそういう場面を想定した時の対処方を学んだような気がするけど・・・・まさか実際にそうなるとは・・・・。

インストラクターが一緒だったので事なきを得ましたが、運が悪かったら 住宅地に不時着なんて事もあっただろうし、着陸できずにひっくり返ってしまうかもしれないし。 とにかく危なかったのです。

エンジンの中の一部分がちぎれてしまったと。
これです

なんとも恐ろしい図でしょうか。

命があった事を神様に感謝。

最初のインストラクターに着いたのが2023年4月の始めです。 で、エンジンがストップしたのが2024年の8月の末。
やく1年と5ヶ月、ジャイロに夢を託したジムと私ですが、さすがにこの壊れたエンジンをみたジムは、ジャイロを手放す決心をしてくれました。 

そもそも最初のインストラクターに出会った時からトラブルって、2人目、3人目、4人目、と色々なトラブルに見舞われた私達のジャイロ。
そもそも購入元のオーナーさんは、自宅に滑走路まで作ってしまったジャイロ愛好家で、次のジャイロを買いたいのでこのジャイロを売りに出していて、ちゃんと整備をしていたのです。 なのに、なんでジムが購入した途端にこれ程までのトラブルが続出したのか? 謎です。

ちょうどそういう時期だった? いやいや、中古車だってメンテナンスさえちゃんとしていれば、次の買い手に移った途端にトラブルが続出なんてあまりないと思うけど。
とにかく不運だったのです。 
ガーディアンエンジェルが、飛ぶのを止めなさい、止めなさい、さもないと大変な目に遭うわよ! って何度も忠告してくれていた気がしてなりません。 これでもか、これでもかとサインを送って来てたのです。 それでもまだ望みを繋いで、トレーニングを続行しようとした挙句の果てに、エンジンがぶち壊れた! 

こういう事態になる随分前から私は遠回しにジムに言ってましたよ。 もうやめた方がいいんじゃないって。 だけど、これはジムが定年後にやりたかった大きなバケットリストの1つでしたので、そう簡単に諦められないだろうなって思ってました。 それにジャイロを買っちゃったしね。 だからこのまま最悪、クラッシュして、私、未亡人? っていうケースもあるかも、って思ってましたよ。 

ですが、さすがに空中で突然エンジンが止まった事の体験からジムも今回ばかりは自分で決断をしました。
ジャイロを売りに出すって。

つまりジャイロの免許を取ることは諦めたっていう事です。 

ジャイロですか? エンジンがぶち壊れたのはネバダでエンジンのスペシャリストに点検をお願いした際に、人的ミスで何か手違いがあったそうです。 それで壊れる結果になってしまった事が判明。 壊れた部品を新しい物に交換して直してもらう事となりました。

ジムがいうに、自分が購入したときよりも、エンジンは新しくなっているので、売り値は自分が買った時より少し上にするって。
ちょっと耳を疑ってしまいましたが、強気のジム。 エンジンのほとんどのパーツが新しくなっているのだから、値段を下げる理由がないって。 

う〜〜〜ん、こういう時、ジムはいつも強気なんだ。 
私の読みでは、この値段では多分誰も買わないんじゃないかな? かなりの値段を値引きしないと・・・・・。

あ〜〜〜早く売れて欲しいです。
これでジムと私のジャイロストーリーは終わりです。
私は3〜4時間飛びました。 経験だけしました。 満足です。

終わり


ジャイロプレーンのその後(その3)

テキサスを出発した私達はジャイロをトレーラーにくくりつけ、できる限り座席部分をプラスティックで覆い、アリゾナに住んでいるジムの甥っ子の家を経由しながら一路カリフォルニアの我が家を目指しました。 
移動する時のジャイロはこんな感じです。
ピックアップトラックにトレーラーを牽引させて走るのですが、ジャイロの車輪はトレーラーの床に手錠のような金具をいくつもジムが取り付けてあったので、まるでガリバーが小人達に括り付けられたあの姿を思い起こすような形状でした。

これでテキサスからカリフォルニアまで長距離を移動してきました。 無事に我が家の庭に到着した時の写真です。




テキサスでのトレーニングも時間切れで2人目のインストラクターにも別れを告げた私達は3人目のインストラクターを探さなくてはなりませんでした。 なるほど、カリフォルニアにはあまりジャイロのインストラクターが在中していない・・・・・・。

1人はPasadena・・・・ これ、ロサンジェルスの方。 私は猛反対しました。 遠すぎるから。 

3人目はキャメロンパークのインストラクターに決定。こちらは3〜4時間のドライブです。
ジムと私、ロキちゃんはair B and B を予約して、トレーニングへ出かけました。

またしても私のトレーニングには許可証の更新が必要で、その度にお金がかかりました。 

で、ジムが最初にトレーニングをスタート。 

ジムは数時間空を飛ぶ事ができたのですが、その後ジャイロに問題が発覚。
ターボという機能が付いていて、エンジンをパワーアップできるはずなのですが、そのターボがちゃんと作動していないと。

インストラクターは私達に経験豊かなジャイロのメカニックを知っているので、彼のところで直してもらうように勧めてくれました。

トレーラーに括り付けてまたまた移動。
数週間後に直ったジャイロを引き取りに行ったのですが、トレーニングに戻るやいなや、今度は違う箇所に不具合が発生。
どうやらターボは直ったようなのですが、新しく電気系統に問題が出てしまったのです。 メカニックがジャイロの電気系統を動かしたのは確かで、そのせいなのですが・・・・・・。

と、いうことで、3人目のキャメロンパークのインストラクターは、私達を見捨てました。 もう、君達のマシーンでのトレーニングはお断りって事です。そりゃそうだよね、危険だもの。

肩を落として、私達はアロマスに近い場所で、ジャイロの電気系統を直してもらえそうなエンジニアを探しました。

そして直してもらった後は、4人目のインストラクターを探さなくてはなりませんでした。

4人目はペタルーマという街のインストラクターです。 

出だしはあまりスムーズではありませんでした。 というのもこちらのスクールでは違う会社のジャイロが主力で、私達のジャイロをインストラクターは飛んだ事がなかったようで。。。ちょっと躊躇してました。

ですが、無事、交渉成立で、トレーニングスタート。
数時間飛んではまた家に帰り、また出直してまた数時間・・・・。 そういうペースでしたので、なかなかトレーニングが進みません。
私ですか? 私はこの段階で、トレーニングを断念しました。 
4人目のインストラクターに会ってみて、この人の英語が空中でちゃんと聞き取れるか? これとても重要な事で、私は無理だってそう思ったのです。 なので、私はこの時点でリタイアしました。


基本20時間のトレーニングが必須ですが、私達みたいなシニアではその倍はトレーニングを積まないと最終テストは受けられそうにないとの事・・・・・。

で、時間ばかりが過ぎていき、2024年1月。 ジャイロの定期点検がやってきたのです。 

続く




2024年10月17日木曜日

ジャイロプレーンのその後(その2)

アラバマでついた最初のインストラクターはトレーニング直前にコロナに罹ってしまい、トレーニングを予約して遠くから来ていた私達は唖然とするばかり・・・・・。 借りていた民泊で他に何もする事がありませんでした。 筆記試験に向けて勉強をしましたけどね、私は。

最後にこのインストラクターに挨拶をしてアラバマを出発した時に、冗談半分で私が言いました。「あなたが、これまでで一番のインストラクターでしたよ〜!」ってね。 まだ始まったばかりでこの人が最初のインストラクターでしたから、best of best って嘘じゃない。 ちょっと皮肉を混ぜての冗談です。

ですが、この後3名のインストラクターにつく事になるのですが、今思えば、この最初のアラバマのインストラクターが一番丁寧で、計画的で、生徒目線で、良かったのです。 ほんとに、貴方が一番でしたよ。 私の冗談の一言がこの先の私達の運命を予想していたかのようです。

アラバマの後は中古のジャイロをテキサスで見つけて、アラバマで既に購入していたトレーラーにくくりつけて次のインストラクターのいるテイラー空港に移動。そこで2人目のインストラクターによるトレーニングがスタートしたのです。

トレーニングを受ける州が変わったので、私はその都度外国人がパイロットの免許を取ろうとしている・・・・うんぬん、の許可を取り直ししなくてはなりませんでした。 これがすっごく面倒でした。

こちらの空港のインストラクターはご本人がまだ現役のパイロットで、小型機を操縦する仕事をしていたので、その仕事の合間にトレーニングを、そういうインストラクターだったのです。 そうとも知らず、この先生にお願いした私達は2週間テキサスに居ましたが、インストラクターの本業が忙しくて、私達のトレーニングは思うように進みませんでした。 この間に私はいきなり空を飛ぶことになったのですけどね。

アラバマの最初のインストラクターのように、まずジャイロに乗って、空港内をゆっくりゆっくり移動できる練習を1時間。 そしてハンドル捌きやペダルの踏み具合を体感する。 そういうトレーニングを期待していた私でしたが、2番目のインストラクターはこういう基礎の基礎はすっ飛ばして・・・・・。

空港内の地面をゆっくり移動する方法もまだ教えてもらってないのに〜〜〜〜〜。 いきなり空を飛んじゃった。 もちろん、後ろに座っているインストラクターが離陸をしてくれてあっという間も空中何百メートルも上がってしまったのです。

もう何がなんだかちっともわからなかった。 ただ、怖いっていう感覚はそれほど無かった。
最初のトレーニングで「はい、45度に傾いて90度旋回〜!」なんてやらされてた。

このインストラクタ−さんは、多分、凄く操縦が上手でアクロバット的な凄い事もできちゃうみたいなんだけど、操縦を生徒に教えるのが上手かって言われたら??????? 感覚的、衝動的に自分のスキルをその場で教えるタイプ。 なので、順を追って、1つ1つやっていきましょう〜的ではなかったのです。

結局、インストラクターのスケジュールが混んでいた事と、天候不順でテキサスでのトレーニングは時間切れでテキサスを去ることになります。 ステップサンの大学の卒業式に参加するためにどうしても5月にはカリフォルニアに戻らなければいけなかったからです。

テキサスでは数時間私は空を飛びましたが、なんだかな〜 何を学んだのか良くわからなかった、っていうのが正直なところでした。

続く




2024年10月16日水曜日

ジャイロプレーンのその後 (その1)

そもそもジムが空に興味があることは、薄々感じてはいたものの、自分で空を飛んでみたいと思っているなんて、夢にも思わなかったのです。
思えば、2008年頃だったかな? チャドに赴任していたジムにパリから合流した私は、まだ自分達の住む家が決まらなかった時だったか?
中国人が経営するホテルに滞在してました。 部屋は広いのだけど、寝ている間に私の背中にゴキブリが走り、ジムが素手で叩き殺した・・・なんていう思い出があるホテル。

それにそのホテルに滞在している間に私は高熱を出したのです。 40度近い熱でガタガタ震えながらベッドで寝ていて、ジムがその日どうしてもどうしても提出しなくてはならない企画書があって、直ぐに私を病院に連れて行けなかったのです。 ガタガタ震える私を横にジムは必死に企画書に取り組んでいました。
その時・・・・・・。 窓の外で大きなプロペラ音がしたのです。 
するって〜と・・・・・。
ラップトップに向かって必死にタイプしていたジムがパタ、と椅子から立ち上がって窓まで駆け寄ったのです。 で、その姿をおぼろげに見ていました、私。

窓が結構高い位置にあったのです。 で、プロペラ音が聞こえる方向に顔を向けようとしているジム。 なんと爪先立ち。

この時の情景が高熱にうなされながらもはっきり頭に残ってる。 

この人、子供みたい。 そう思ったからです。

で、話はジムが空を飛ぶ事に憧れを抱いていたって事。

ジャイロのライセンスを取りたいって言い出した時に、え〜〜〜〜! ってなったのですが、「僕が空を飛ぶことに興味があったって、知らなかったの?」 って言われましたが、知りませんよ。 爪先立ちで窓の外の飛行機を追っていたのは知ってるけど、まさか自分で飛びたいって思ってたなんて・・・・・。

これが数年前の会話でした。
そもそもジムがNYで一年生活しようか? って言い出したのも、今になって思えば、NYで一年生活した後にフロリダに移動してジャイロのイベントに参加する。 で、インストラクターを探してレッスンを受ける。で、20時間のレッスンを終了した後は速やかに筆記試験を受けて、その後実技。 免許をとる。 
こういう構想を描いていたようなのです。で、ジャイロっていうのはなぜだかアメリカ西部より東海岸、南部の方が盛んなのです。 だからNYに行き、その後、ジャイロのインストラクターがより探しやすい東部・南部で免許を取ろう! そう企んでいたようなのです。あわよくば、中古のジャイロを買って、カリフォルニアまで飛んで帰りたい!

え〜〜〜、じゃ、私とロキちゃんはNYからどうやってカリフォルニアまで帰るのか? あ、ジムが空を飛んで私たちはトラックで移動ね! なるほどね。(冗談じゃない!)

多分、ジムはこういう大それた事を考えていたようなのです。 

カリフォルニアまでジャイロで飛んで帰るっていうのは、一発でインストラクターに却下されましたから、心配する必要はなかったんだけどね。

NYを出発して、その後カナダケベック、その後ウェストバージニアを経由してフロリダへ移動した私たちは、計画通り、ジャイロの一大イベントに参加しました。 展示会? って感じのイベントで、ジャイロを売りに出したい人が自分のジャイロを持ってきていました。

そこで一台いいかな〜っていう中古を見つけた私達。 その時は決断しませんでしたが、その後トレーニングをしてもらう予定のインストラクターもこのイベントに来ていました。 挨拶を。

フロリダの後、私たちはアラバマに移動。 そこでAir B and Bに滞在しながらフロリダで挨拶したインストラクターの居る空港へトレーニングに行こうとしたのです。
で、第一のBad Luck 、私達がトレーニングの予約をしていた前日にインストラクターがコロナに罹ってしまいました。 
で、その後の1週間は何もできず・・・・・。 インストラクターはコロナ用のお薬を処方されて1週間で戻ってきましたが、私達の後に次の生徒さんの予約が入っていたそうで、潰れてしまった1週間を埋め合わせてもらう事はできなかったのです。

で、元気になった先生からフライト計画をもらい、いざ空港へ。 先生のジャイロに乗って、まずは空港内を自動車のように走らせて移動するトレーニングをジムが受けました。 なるほどね・・・・次は私の番だ、と緊張しながら待っていたら・・・・。
なんとインストラクターのジャイロの電気系統が故障。 トレーニングは中断。 全くもってインストラクターも驚いていました。商売道具が壊れちゃったのですから。 
結局、数週間アラバマに滞在しましたが、ほとんど何もできなかったのです。これがそもそもBad Luck の始まりでした。

続く。。。。。